この記事では、化粧品を使用することによって起こる化粧品かぶれについてお伝えします。
男性でも健康的で清潔感のある肌を保つためには正しいスキンケアが欠かせません。特に男性の場合には女性と比べて肌の水分量が少ないために乾燥しやすいばかりでなく、毎日のシェービングによって日常的にダメージを受けています。このため、男性の肌は女性よりもより化粧品でケアすることが大切です。
しかしながら、これまで化粧品を使用した経験がなく初めて本格的なスキンケアのためにさまざまな化粧品を試すという方は、その方法だけでなく、化粧品かぶれにも注意しておかなくてはなりません。
化粧かぶれとは
化粧かぶれは「接触性皮膚炎」と呼ばれる一種の疾患で、肌に特定の物質や成分が触れることにより起こります。その症状はかゆみやぶつぶつ、水ぶくれのほか、接触した部分が赤く腫れたり熱を持つなどさまざまです。
特に普段肌ケアをことがない男性が初めて化粧品に触れるなどして化粧かぶれを起こした場合には、使い続けることで症状が悪化する可能性もあります。
化粧品かぶれの原因
いわゆるかぶれの種類は、「刺激性」と「アレルギー性」に大別できます。また、化粧品かぶれはこのうちどちらでも起こるものです。
刺激性の化粧品かぶれ
化粧品かぶれでも、その成分によって起こるかぶれを「刺激性皮膚炎」といい、原因の大半を占めるといわれています。発症のメカニズムは皮膚が化粧品で刺激されることによって、炎症を引き起こす「サイトカイン」や「ケモカイン」と呼ばれるたんぱく質が生成されるためと考えられています。また、刺激性皮膚炎は皮膚への刺激によって生じることから、誰にでも起こるかぶれです。
アレルギー性の化粧品かぶれ
単独では抗体を産生させないものの、アレルギー発症の要因になる「ハプテン」が皮膚に触れることによって起こる炎症を「アレルギー性接触皮膚炎」といい、これがアレルギー性の化粧品かぶれです。ただし、アレルギー性の化粧品かぶれは体質によって発症のしやすさが異なるため、原因となる物質を含む化粧品を特定できれば発症を予防することもできます。
化粧品かぶれによる症状の進行
かぶれとは何らかの物質が皮膚に接触することで発症する皮膚炎で化粧かぶれもこのひとつです。また、その症状は進行することによって一般症状から悪化症状へと変化します。
一般症状
一般的にかぶれはまず赤くなり、皮膚が盛り上がってぶつぶつが現れます。このときかゆみやヒリヒリとした感覚を伴うこともあります。
悪化症状
ひっかくなどして皮膚に細菌が侵入すると二次感染を起こして膿がたまったり、水ぶくれになったりすることもあります。さらに皮膚がジュクジュクしたり、水ぶくれが破れて表皮がはがれ、真皮が露出してしまうただれを生じることもあります。
初めて化粧品を利用したら肌が荒れた、その症状
化粧品かぶれは使用開始から現れるまでの時間によってその症状がさまざまで、原因も異なります。
すぐに現れた場合
化粧品を利用しはじめ、すぐに症状が現れた場合にはアレルギー性の化粧品かぶれの可能性があります。このため、体に備わった免疫システムが特定の成分を異物と判断し、赤み、かゆみ、湿疹、かぶれといった症状を肌にもたらします。このため、そうした成分が含まれる化粧品を使い続けることは症状の悪化を招くため、ただちに使用を中断しなければなりません。
1週間程度で現れた場合
化粧品の利用をはじめ、しばらくして症状が現れたのであれば一時的に肌のコンディションが低下していることも考えられます。こうした場合には肌のバリア機能が一時的に衰え、化粧品に問題がなくても赤みやかゆみを引き起こします。ただし、使用をはじめてから時間が経過していても化粧品に含まれている成分がアレルギーを引き起こしている可能性もあるため、念のため使用を中止し、低刺激のアイテムに切り換えてみることなどが必要です。
使い続けていて現れた場合
これまで使い続けていた化粧品でも、あるときからひりひりするなどの症状が現れた場合には、肌のバリア機能の低下を疑います。またこのような場合も肌のバリア機能が回復するまで使用を中止するか、あるいは低刺激のアイテムに切り換えます。
化粧品かぶれへの対策
化粧品かぶれは肌にふれるあらゆる化粧品で起こる可能性があります。このため、起こってしまった場合には適切な対処が必要です。
保湿をする
化粧品かぶれに対して保湿の効果は明らかになってはいません。しかし、予防、治療の観点からは効果的といえます。また、健康な肌を保つためにも保湿は重要なため、日頃から十分な保湿を行うことは大切です。
パッチテストを行う
アレルギーが原因で化粧品かぶれが生じている場合、化粧品を使用する前にパッチテストをし、アレルギー反応の出る成分を把握しておくとよいでしょう。
パッチテストは自宅で簡易的に行うのであれば、まず入浴の後など肌が清潔な状態で二の腕の内側をはじめとした柔らかい部位に化粧品を塗り、30分ほど経過を観察します。そのうえで異常がなければ汗などで濡れないように注意し、24時間放置したのち、赤みやかゆみ、腫れなどの症状が現れないか確認するといった手順で行います。
さらに二の腕で問題が起こらなければ次にフェイスラインで少量を試し、再び赤みやかゆみをチェックしましょう。
いずれも途中で何らかの症状が現れた場合にはパッチテストを中止するのはもちろん、反応が出た化粧品の使用を中止します。
化粧品はひとつずつ試す
複数の化粧品を同時に使いはじめるとどの化粧品によって化粧品かぶれが起こっているのかがわかりにくくなってしまいます。このため、化粧品の使用を開始する際にはひとつずつ試していくことが大切です。
また、肌の調子や体調が悪いときには新たな化粧品を試すのは避けるようにしましょう。
肌への影響がでたらまず病院へ
スキンケアを目的に化粧品を使用したとしても、肌に悪影響を与えたのではむしろ逆効果です。また、肌の状態が悪いときにいくら化粧品を使ってもよい効果は得られません。
化粧品かぶれは放置するとシミが目立つようになるといった外見的な影響だけでなく、かゆみを感じやすい肌になったりすることもあります。
このため、化粧かぶれの症状が現れたら、安易な自己判断は避け、まずは医療機関で適切な処置を受けてきちんと治療することが大切です。